ストレスチェックの調査項目
ここ数年、企業でのストレスチェックには幾つかの調査尺度を用いています。まずはその会社の業種や勤務形態、社員の雇用形態、男女比、年齢構成など様々な要素を考慮し、さらに会社の人事担当の方とお話しして、調査尺度を選定しています。そのため使用する尺度は、その会社によって異なりますが、一般的には心の健康度、ストレスに対処する力、仕事満足度、組織風土などの尺度を選定しています。
どんなことがわかるのか
心の健康度やストレスに対処する力、仕事満足度は個々の社員さんの様子がわかりますが、組織風土からは、それぞれの課内の様子がわかります。大変数値が良好な課もあれば、そうでない課もあります。調査の結果から、数値が良い課の取り組みを、他の課に紹介したりもしています。
しかし根本はストレスの調査なので、職業性ストレス尺度や心の健康度尺度、ストレスに対処する力をみる尺度等、ベースの尺度は同じものになることが多いです。15年以上、さまざまな業種の会社で、ストレス調査を行ってきましたので、尺度は信頼性の高いものを選定しています。
ストレスに対処する力「SOC」とは
ベースとなる尺度のなかで、ストレスに対処する力をみる尺度(以下、sense of coherence :SOCと呼びます)があります。簡単に言いますと、これは「ストレスの原因にさらされたときでもそれに押しつぶされることなく、健康を保つことができる力を測る尺度」です。
私はこの尺度は、とても良く当たる!と体験から感じています。
「SOC」と「心の健康度尺度」の関係性が実に興味深いものがあります。それは、SOCの値が高い人は、大抵、心の健康度が高めであるという結果が出ているからです。また私は、ストレスチェック調査は全員に実施し、その後、全員面談を行うことが多いことから、すべての社員さんとの面談を通じて、益々このSOCの効果は凄い!と実感しています。
SOCの高い人は心の健康度が良く、そうすると、仕事満足度も高い傾向にあります。また上司や同僚のサポートを上手に活用することもできると調査結果にも出ています。
先日も大手乳酸菌飲料の会社でストレス研修を行いました。この会社では、何度かストレス研修を続けていることから、今回は「如何にストレスに対処できる力を獲得し、打たれ強い社員を育てるか」という内容で具体的にお話をしました。
SOCの値が高い人は、心の健康度が高い、規則正しい生活が維持できる、仕事満足度が高い等さまざま良い結果を導いてはいるものの、では「日々の職業生活のなかで、本人が、上司が、そして会社がどのように関われば、その力が身に付いていくのか」その具体的な方法について、業種を踏まえお話をし、日々の実践につなげていただきたいと願っています。
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